『(4)憧れ My STAR』全曲レビュー

(4)憧れ My STAR』をほぼ一日中聴いたので、全曲レビューしてみます。
どこまで暇なのでしょう。

  1. 憧れ My STAR

この曲については前にも書きましたが、アルバムのリードナンバーとして満点。
Berryz工房の『5(FIVE)』でいうところの『HAPPY! Stand Up』のようなもので、℃-uteの場合にしても、この一曲だけ出色。
悪く言えば、本気でハマった曲はこれだけとも言えます。
ハピスタもそうだったし。
音の厚みがすごいです。
いらない音もありますが、それも許せるくらいのごった煮テイスト。
サビのユニゾンよりも、メロの各メンバーのソロパートの方が、聴かせることに関して力があるように思う。

  1. One's LIFE(梅田えりか岡井千聖萩原舞

ラップのいっぱいいっぱいさが良い。
特に梅さんが息切れしつつ言葉を紡いでいる様子が、ありありと眼前に迫ってきます。
ラップパートをもしマイマイさんがやっていたら、という妄想も楽しいです。
そんでメロを梅さんが。
別の曲になりそうな気がします。
ライムを踏むことに終始していないため、ヒップホップの初期衝動のようなものを感じます。
メロディーに乗せるのももどかしいから全部喋ってしまえ、というようなシュプレッヒシュティメ。
そのうち言いたいことが増えすぎて朗読CDが発売されるのではないでしょうか。

  1. Yes! all my family(鈴木愛理

安定した歌唱とポップなメロディーで安心して聴けます。
山下達郎的セルフコーラス。
鈴木俊介氏の懐メロ力はすごい。
古臭くならない程度に懐かしく、現代的にアレンジする技量に脱帽です。
しかしつんく氏は、非常にマクロな日常の描写から人生訓、次いで地球問題にまで詞の世界を広げていくのが好きなもんだ。

  1. 涙の色

もう飽きるほど聴いた曲。
歌詞の中の男は一体何をしたのだろうか。
きゅうりを突っ込もうとして愛想をつかされたという説が出ているようですが、真相やいかに。

  1. 愛してる 愛してる(中島早貴有原栞菜

つんく曰く、ピュア担当の二人。
恐ろしいほど真っ向からアイドルしています。
「何これっ!?」と言われたいがために、思春期の少年たちはAXEを全身にふりかけるのでしょう。

  1. 青春ソング(矢島舞美

ブルーハーツだとかゴイステだとかガガガだとか言われますが、それは山崎淳氏のアレンジであって、もはやこれは矢島ソング。
甲本も峯田もこんな声では歌わない。
ギターの音はどこか乾いているのに、何故か水気汁気たっぷり。
これは舞美汗か舞美汁か季節はずれのゲリラ雷雨か。

  1. Big dreams

先日この曲を凡曲でがっかりだと書きましたが、これはこのアルバムきってのスルメ曲でした。
関係各位にお詫び申し上げます。
アレンジに当たり障りが無く、そのため主旋律がより際立ってグッときます。
でも何だかどこかで聴いたような気がしないでもない。

  1. SHINES

サッカーだなぁ。アンセムだなぁ。
楽天に続いてサッカー関連のオファー待ちということなんでしょうか。

  1. 約束は特にしないわ

これは℃-ute初のバラードだそうです。
確かにそうで、℃-uteが元気印で売り出されていたことを改めて認識せられます。
「元気印」。
「げんきじるし」。
略して「きじるし」。
この曲くらいまでゆったりしたのだから、次はKey Clueくらいもっとはっちゃけた曲を期待します。

  1. FOREVER LOVE

うん、好きですよ。

  1. 江戸の手毬唄II

これは確かに最後に持ってくるべき曲です。
もし真ん中辺りにあったら幕間扱いされるところでした。


その他全体を通して思ったこと。
今回収録されたシングル曲のコンセプトは、「切ない」或いは「かっこいい」だと思う。
それに対して他のアルバム曲は素直にポップでファンシーでキャッチーにアイドルしています。
アルバムを買うのはファンくらいで、一般の人がそう沢山耳にするとはあまり考えられないため、アルバム曲は純粋にヲタ需要に応えるためのように思います。
でも皮肉なことにアルバム曲の方が優れていることが多いんだよなぁ。
そうした曲をもっと積極的に一般人・非ヲタにも聴いてもらいたいと感じました。