モーニング娘。『弱虫』

モーニング娘。の38枚目のシングル『泣いちゃうかも』。
これはなかなか良曲です。
それより良いのが、そのカップリング曲『弱虫』。
作詞作曲:つんく、編曲:高橋諭一
久しぶりに「聴かせる曲」を出してきました。
ボーカルとして、新垣里沙さんと道重さゆみさんを大フィーチャー。
ガキさんは安定した声をお持ちのようで、息の抜き方に大人っぽさを感じます。
さゆは格段に歌が上手くなっているように感じました。
これまで彼女には、さゆーじあであるとか、『涙がとまらない放課後』だとか、『リゾナントブルー』の「へるみー」であるとか、そんな、いわゆる、「ヘタ」、或いは、イロモノ、なイメージばかりが付きまとっていました。
しかし、今回の『弱虫』でそれは覆される。
高音が怪音波であることは否定しません。
何せ彼女は素晴らしい師・石川梨華さんの一番弟子です。
上述の可愛いキャラもそこで確かなものとなったといえるでしょう。
そんな道重さんのキャラ・歌唱力に成長を感じたのもつかの間、制作側であるつんく氏のポテンシャルにも驚かされました。
歌詞のテーマは、勤め人の女性が自らに付されたキャラや退屈な日常に疑問を抱くといったところか。
この曲の作詞は、最初、三浦徳子氏かと思っていました。
「ミクロ(日常)→マクロ(地球環境)」という流れが昨今のつんく作詞によく見られたパターンでしたが、『弱虫』においては「ミクロ(日常)→メタフィジカル形而上学(自己分析・恋愛観)」という流れが見られます。
地球規模にまで世界を広げずにぐっとこらえた詞世界は、初期のモーニング娘。の高いクオリティを彷彿とさせます。
これはA面にしても遜色ない良曲です。
しかし、A面にするにはガキさんとさゆばかりをフィーチャーするわけにもいかない。
タカハシステムとも揶揄される昨今の娘。においては、良曲は「隠れる」ことで良曲になりうるのかもしれません。
ところでこのベースは笹本安詞氏?
高橋諭一氏編曲でベースが笹本氏といえば℃-uteまっさらブルージーンズ』。
そんな最強タッグだったら良いのにな。
気になって夜も寝られず。