自己目的化

突然ですが、「伝統」は「起源」の忘却であります。
モーニング娘。は元来、「シャ乱Q女性ロックボーカリスト」オーディションの落選者で構成されたグループであり、つんく氏もアイドルを育てる気は無かったようです。
AKB48は、女優なり歌手なりの夢を追う少女たちが、その成長の過程としてアイドル活動。
アイドリング!!!はアイドルとして熟すための過程と称しながらも、活動内容はどちらかといえば芸人的。

【仮定】
「普通の女の子→○○」の過程・手段＝アイドル

【問題】
過程・手段が自己目的化しているのではないか？
所属しているメンバーにとっても、スタッフにとっても、今後オーディションを受けて加入してくる人にとっても、見る人にとっても。

現在進行形で活動規模・範囲共に拡大し続ける各グループ。
拡大に伴うマンネリ化や意識の散逸を防ぐために、シャッフルユニットや分割や組閣が行われてきました。
それでも一度広げてしまった風呂敷は簡単にはたためず、たたんだところで世間から凋落・敗走扱いです。
奢れる者も久しからず。

現在どんどんと右肩上がりに拡大していくAKB48もいずれはしぼんでしまうのかと思うと、寂しさで今夜の枕が濡れそうです。
自分の夢を叶えるための手段、さらにいえば踏み台ともなるべきAKB48ですが、卒業したメンバーの活動を見ているとさほど状況は芳しくないようです。
チームKの河西智美さんは「一生アイドルでいたい」と述べ、また、一番人気の前田敦子さんでさえ「AKB48に一生を捧げる」と述べています。
現メンバーがこのような姿勢であっては、その卒業後は更に状況が厳しくなるのではないでしょうか。
グループの中にいるからこそ光るスキルやキャラというものもあるだろうしね。
起源を忘れて惰性でアイドルをやっていても、墜落して沈没してしまうでしょう。
愚かしい延命処置であったとしても、初心を忘れず、現状に甘んじず。
各アイドルグループには、その気持ちで活動を続けていただきたい、と切に願うわけであります。