モーニング娘。『プラチナ 9 DISC』全曲レビュー

自分どんだけ暇やねん。
暇さに任せて、モーニング娘。のニューアルバム『プラチナ 9 DISC』全曲レビューなどしてみます。

  • 1.SONGS

田中直氏編曲のリードナンバー。
イントロのピアノ、彼があのずんぐりむっくりとした指を鍵盤に滑らせて弾いていると思うと何だか愛おしい。
重厚なコーラスワーク、つんくの合いの手。
せっかくボーカルが良いんだから、田中氏の変態的な編曲でかき消されるようでもったいない。
思うに、田中直の編曲は個人的に大好きですが、娘。の声とはあまり調和しないのではないでしょうか。

この流れ良いです。
終盤のさゆの「へるみー」はいつ聴いても良いです。

  • 3.雨の降らない星では愛せないだろう

何故この曲順。
これは最後にもってくるべきでありました。
非常にシンフォニックな一曲で、昨今のワンダフルハーツバラード三部作のうちの一曲ともいえましょう。
℃-ute『約束は特にしないわ』、Berryz工房『そのすべての愛に』、そして娘。のこの曲。
バラードになると一気に「別れ」の匂いがするのは何なんだろう。

これも田中直。
ボーカルは高橋愛新垣里沙田中れいなと実力派を揃えています。
前の曲からの流れがどうもしっくりきません。
でもシンセでも安っぽく聴こえないのは田中氏の高い手腕によるものでしょう。
イントロと間奏のおっさんは何て言ってるんだろう。
直たんはこういうの好きだよね。
トランペットのビリつく音って何だかエロ。

  • 5.泣いちゃうかも

最近ディスコ調の曲多いっすね。
だからツアー名も「プラチナ 9 DISCO」なんだろうけれど。

  • 6.私の魅力に気付かない鈍感な人(光井愛佳ソロ)

すみません、それってわかめが恥ずかしげのことだよね。
この曲でみっつぃーこと光井愛佳さんの魅力に気付きました。
イントロのドラムが、何となくThe Strokesの『When It Started』のイントロを髣髴とさせる。イントロだけ。
みっつぃーの発声、何となく℃-ute有原栞菜さんを思わせます。
喉をそっと閉じた奥ゆかしさ。
それが彼女の魅力なのかもしれません。

  • 7.グルグルJUMP

小春きました。
はっちゃけた電波ソングは彼女に任せるしかありません。
後ろでぷちょぷちょ鳴ってるアレは何だろう。
生理的に気持ち良い音。
編曲は大久保薫氏ですが、そこはかとなくBerryz工房付き合ってるのに片思い』の匂いがいたします。

  • 8.みかん

一番聴いたことのない曲。
そして一番感慨のない曲。
シングルなのにすまんこまんこ。

エセR&Bで、スパニッシュギターチックで、メロディーは演歌的で、歌詞はちょいエロで、ボーカルは高橋・新垣・田中で。
ベッタベタでかっこいい。
鈴木Daichi秀行氏が一部の人に好かれない理由は、そこなんじゃないだろうか。
ベタベタすぎて、かっこいいと思ってしまうのが悔しい、というような感情。
愛ちゃんのフェイクがなかなか良い。
笑顔YESヌード』のフェイクよりずっと上手い。成長しましたね。

エロかっこいい!小悪魔!
これは確実に、さゆでなければ歌えない。
及川光博の『ワルイコトシタイ』を思い出してしまう。メロディーも歌詞も含め色んな意味で。
さすがモーニング娘。におけるセクシー担当。
歌割りどころか日本語の歌詞どころか、ソロ曲までもらって、道重ウェーブの気配。

High-King『記憶の迷路』とかBerryz工房『抱きしめて 抱きしめて』と同じ江上浩太郎氏編曲。
そうなると「イイ女の癇癪」みたいな匂いが一気に高まるエガちゃんマジック。
歌い出しは小春、センターも小春。
でもダメだ、やっぱりきらりちゃんが顔を出す。

わかめが恥ずかしげにとって、このアルバムでトップを争う良曲。
亀ちゃんいいよ亀ちゃん。
パッと聴いた瞬間、初期あややかと思った。
高音のかすれそうな感じとか、声質は意外と似ているのかもしれない。
大学生活がテーマというのも、高ポイントの要因。
甘酸っぺぇな。
全員歌唱の曲の中では埋もれがちな彼女です。
ソロ曲を持たせて正解です。
てかこれもエガちゃんかい。
振り幅の大きさを見せ付けてきました。

色んな意味で、インパクトのでかい曲でクローズしていく本アルバム。
歌い出しが藤本美貴さん、終盤ソロに吉澤ひとみさん。
この二人が抜けて以来初のオリジナルアルバムと思うと、2007年・2008年は確かにパッとしない時期かもしれない。
ディスコ調の曲が盛りだくさんのアルバムの中で、その最後を2年前のシングル、しかも妙にロックロックしたこの曲で締めくくるという展開に非常に違和感を感じます。
「別れ」がテーマですし。
上でも少し書きましたが、ここはひとつ、『雨の降らない星では愛せないだろう』と曲番チェンジすべきでしょう。


編曲のことばかり書いてしまいました。
田中直は大好きです。
しかしモーニング娘。には向かない。
田中氏のアクの強さが、せっかく成熟した娘。のボーカルとケンカしてしまっています。
変態的なビートの曲を作るなら、AKIRA氏の方が娘。的。
田中氏はまだ成長途中で未成熟なBerryz工房℃-uteの編曲を手がけた方が、ボーカルを補う面白い曲を生み出してくれそうな気がします。
『ディスコクイーン』とかさぁ。