『RIVER』プレビュー

新曲『RIVER』を試聴。
嗚呼RIVERの流れのように。
秋元康氏の代表作といえば『川の流れのように』ですが、編曲の様子からすると、下流のゆったりした流れではなく、源流或いは滝に近い激しいスピード感と鋭さ。
歌詞の内容を見ると力強い応援ソングです。
しかし、古来より洋の東西を問わず、川は生と死の境界としての表象でもあります。
インドではガンジス川に水葬。
シェイクスピアのオフィーリアが死んで流されるのも川。
また、直接死を語ってはいませんが、深淵を覗き込めば同時にこちらも見つめ返されているとニーチェは述べています。
その川の得体の知れなさ・規模の途方の無さは『RIVER』にも共通しているように思われます。
そして何より、仏教においては彼岸・此岸・三途のRIVER。
歌詞には三途の川要素がてんこ盛りです。
曲の主人公は彼岸を目指そうと泳ぎもがくけれど、結局曲の終わりまで辿り着いてはいません。
「繰り返せばいい」なんて歌っていますが、終わりの見えない永劫回帰
また、言い伝えによると賽の河原では石を積んでは崩されを繰り返すそうですが、この曲では石は拾って投げています。
ちょっと型破りなことをしてしまったがためにバチが当たったんでしょう。
同じく言い伝えによれば、延々と無為を繰り返す死人は後に地蔵によって救済されるとのこと。
つまりコンサートでこの曲を聴いても、ヲタは下手に乗らずに地蔵になってじっくり聴け、ということなんでしょうかね。
以上、妄想解釈、お粗末さまでした。