『マジすか学園』第9話

マジすか学園』第9話は、小嶋陽菜さん演じるトリゴヤとの対決が中心。
鶏小屋に閉じ込められることでもう一つの人格が覚醒し、触れた人やモノの過去を読み取り、その過去の傷を掘り返すような「言葉」を吹き込むことによる相手の精神破壊を武器とするキャラ。
ラッパッパ四天王がAKB48の様々な側面を代表しているとしたら、という仮定に基づくと以下。
・シブヤ:流行物好きな、いわゆる「普通の」女の子 (実際、常人のような能力をもっており。あっさり前田に倒された)
・ブラック:創造的、聖母、慈愛、ひいてはディーバ、歌姫
・ゲキカラ:攻撃的、破壊的、外部からの客観的視点
・トリゴヤ:過去言及的、内部からの客観的視点
※これらの四天王の性格描写説明のために、かねてからの説明役であるチームホルモンが、自ら犠牲となるかたちで解説を加えているのではないか(ex.ヲタの鼻鉛筆、ウナギのトラウマ掘り起こし)


このように今回第9話でトリゴヤが内部からの客観的視点を持つ者として描かれていると仮定すると、今回はチームシャッフル後の新体制への布石と見ることができるのではないだろうか。
実際、この回より、番組のスタッフロールが新チーム体制での表記となっている。
そして、これは新チームK『RESET』公演開幕前最後の放送であった。
前田一頭体制の解体を反省し、チームの再構築を図るということが、今回表象されているのではないか、という結論に至った。


また、精神分析による読解もできそうなのが今回の面白いところ。
保健室のシーンで登場した鏡及びそこに映る前田の像は自身の鏡像段階として、あるいは、大島が「(トリゴヤの)本当の武器は言葉だ」と述べた辺りは、大文字の他者による抑圧がアイドルとしての能力を飼い殺しにしていると見ることも、不可能ではない。
とはいえ、これにはより慎重な分析が必要。
それぞれの回毎に何かを語ることができても、ほぼ毎回脚本家と演出家が異なっているため、全話を通じての結論を導き出すには慎重さを要する。